フェルメールの全37点が一堂にそろう展示会へ行ってきました。もちろん本物ではありません。リ・クリエイトという最新技術であたかも本物のように復元されているレプリカです。この『リ・クリエイト』という技術、すごいです。すごすぎます!!
全作品が一堂にそろい、見比べながらじっくりフェルメールを堪能できる展覧会。
フェルメールが好きすぎるフェルメキスト(そんな言葉はきっと存在しない……)はもちろん、そうでなくても、「フェルメール」というコトバが初見の方でも、フェルメールの光と影の世界に、きっと魅了されると思います。
フェルメール光の王国展 inSAPPORO(札幌)
フェルメール全37点のリ・クリエイト作品をを一堂に展示する展覧会です。
開催期間、場所などの展覧会の情報
- 日時:2015年12月4日(金)~2016年1月3日(日) 10:00~17:00(最終入場16:30)
- 会場:プラニスホール 札幌エスタ11階
- 料金:一般/800円、中高生・大学生/500円 ※小学生以下無料
- 公式サイト
- 住所:札幌市中央区北5条西2丁目札幌エスタ11階
フェルメール光の王国展 6つの魅力を解説!
フェルメール光の王国展、どこが素晴らしかったのか6つの魅力に分けて徹底レビューします。
1.美しく再創造『リ・クリエイトが』の技術がすごい!
リ・クリエイトとは、
『オリジナルから失われたものをふたたび取り戻す=作品の“再創造”という新しい複製画の手法』です。
最新のデジタル印刷技術でフェルメールが描いた当時の350年前の色彩に沿って再現されています。
作品は全て原寸大で再現されていて、額装も所蔵美術館と同じ額装を再現しています。
近くで見ると、油絵のでこぼこした感じはないですが、絵の表面のヒビ割れのような部分まで忠実に再現されています。
2.制作された年代順に並んでいるわかりやすさ
この展覧会では、展示の順番がが制作年順です。
これが非常にわかりやすい。
フェルメールも最初は、宗教的な題材の絵も描いていることがわかります。
しかし、わりと初期の段階で光を印象的に描く構成を取り入れています。
37点の作品の中に、同じモチーフ、同じ場所が複数の絵に渡って登場します。
例えば、この二つの絵を見比べてみてください。
どうです?わかります?同じ地球儀がどちらの絵にも登場していますよね。この地球儀はこちらの絵にも登場します。
その前後に描かれた絵と見比べながら、鑑賞する。全作品が一堂にかいし、年代順に並べられているからこそできる鑑賞方法です。
3.会場に流れている音楽は久石譲のオリジナル楽曲!
会場音楽は久石譲さんのものです。この展示会のために書き下ろした楽曲を使用しています。
久石 譲「フェルメール&エッシャー」
会場内に足を踏み入れるとすぐに、心地よい音楽が流れていることに気が付きます。
ピアノのメロディが美しい光が差し込む風景のように奏で、後からやってくるヴァイオリンの響き。まるでフェルメールの光と闇の部分を描いているような美しい音楽が、心地よく会場内に流れています。
4.音声ガイドも豪華 宮沢りえ&小林薫
音声ガイドは、宮沢りえさんと小林薫さんが担当しています。
宮沢りえさんがフェルメールの娘「エリザベス」、小林薫さんが「フェルメール」の役で各作品をストーリー仕立てで解説しています。
単なる作品解説のナレーションにとどまらない、この二人だからできるエンターテイメントな作品に仕上がっています。
より作品を楽しめそうな音声ガイドですね。この音声ガイド、聞きたかったー!!!(泣)
わたしは子どもと一緒だったので音声ガイドの利用はあきらめました。魅力あるキャストによるガイドだからか、会場内では、音声ガイド利用率がとても高かったです。
- 音声ガイド利用料:500円
5.解説パネルがわかりやすい
37点の展示の後に解説パネルがありますが、これが非常に興味深く面白かったです。
フェルメールといえば遠近法を取り入れた絵画が有名ですが、このように紐を使って書いていた様子であったり、各モチーフの意味するところがわかりやすく解説されています。
6.監修を務めるのがあの「福岡伸一」さん
福岡伸一さんは、分子生物学者であり、有名な著書に『生物と無生物のあいだ』があります。
『生物と無生物のあいだ』とは……
「生命とは何か」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら、現在形の生命観を探る。ページをめくる手が止まらない極上の科学ミステリー。分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色がガラリと変える!
わたしもこの本がベストセラーになったときに読んでいますが、まるで文学作品を読んでいるような面白さがありました。再読したい一冊です。
ANAの機内誌「翼の王国」にも、福岡伸一さんによるフェルメール紀行が連載されていました。フェルメールが所蔵されている美術館に赴いて鑑賞するという紀行文。これがまたとても面白くて、当時ANAに乗ったときの楽しみの一つでした。
生物学者という肩書にとどまらず、フェルメールへの専門性の深さと文章のうまさ。
その福岡 伸一さんが監修を務める今回の作品展。
作品の展示方法、解説のうまさ、フェルメールを知り尽くしているからこその展示方法・展示内容、と納得の展覧会でした。
おまけ お土産ショップの紹介
ショップでは、いろいろなフェルメールグッツが販売されています。
絵やマグカップやマグネット、便せんや、ピンバッチ、絵ハガキ、クリアファイルなどです。
この展示会の目録は2000円で販売されていました。
今回のしょうラヂオ。
今回は、「フェルメール光の王国展 in SAPPORO」の紹介をしました。
リ・クリエイトの最新技術が素晴らしく、フェルメールの37点をすべて鑑賞するという贅沢なひとときを味わうことができました。
わたしの人生の目標の1つに「フェルメールの全点踏破」がありますが、今回の展覧会でよりその想いが強くなりました。さらに、今回37作品をすべて写真に収めてきたので(会場内は撮影可能)、フェルメール全作品集という自分大満足な記事も書いて一人でにやにやする予定です……。
札幌在住のブロガー、しょう(@syoradio1)がお届けしました。